GCPのAlways FreeのGAE無料枠を使ってみた


ダディ伯爵がGCPで独自ドメインSSL対応ブログを無料で簡単に立ち上げた方法を分かりやすく解説します。
本記事では「GCP無料枠」について記載します。

以下、執筆時点(2019年5月20日)の情報ですのでご注意ください。

1.GCP(Google Cloud Platform)無料枠

GCPの無料枠は「Always Free」と呼ばれ、無料のトライアル期間12ヶ月が過ぎても、永久に無料で使用することが出来ます。なお、無料トライアルについては、「Google Cloud Platform、15のサービスで永久無料枠を提供開始」の記事にある通り、2017年3月10日から「12 か月間 $300 分の無料トライアル」を行うことが出来ます。

2.GAE(Google App Engine)無料枠

GCPの無料枠のうちGAE(Google App Engine)の無料枠について「公式サイト」に記載の内容を以下に転記します。

  • 1 日あたり 28 時間のフロントエンド インスタンス時間、1 日あたり 9 時間のバックエンド インスタンス時間
  • 5 GB の Cloud Storage ★リージョン縛りはない
  • 1 日あたり下り 1 GB
  • 共有 Memcache
  • 1 日あたり 1,000 回の検索オペレーション、10 MB の検索インデックス作成
  • 1 日あたり 100 件のメール
    無料枠を使用できるのは、スタンダード環境の場合のみです。

これらの情報だけだと何を言っているのかピンと来ない方もいると思うので、ダディ伯爵がトレビアンだと感じた点を以下にまとめます。

3.GCS(Google Cloud Shell)の無料枠

GCPの無料枠のうちGCS(Google Cloud Shell)の無料枠について「公式サイト」に記載の内容を以下に転記します。

  • 5 GB の永続ディスク ストレージを含め、Cloud Shell に無料でアクセス

GCPには無料で使える「Cloud Shell」と呼ばれる便利なツールがあります。Chrome等のブラウザから「GCPコンソール」へアクセスし「Cloud Shell」起動ボタンをクリックすると「gcloudコマンド」を実行できるLinux環境が立ち上がります。

★Google Cloud Shellの便利な点

1.ブラウザから「Linux環境(Cloud Shell)」へアクセスすることが出来る
2.作業用パソコン側は、インターネットが繋がるブラウザのみで良い
3.開発に必要なランタイム等は「Linux環境(Cloud Shell)」に実装済なので、すぐに開発作業にとりかかれる
4.ブラウザから操作可能なGUIエディタが標準で装備されている
5.開発の成果物(データ)は、作業用パソコンではなく「Linux環境(Cloud Shell)」のホームディレクトリに保存(5GBまで保存可能)できる

もちろんGit等へ保存することも可能

ダディ伯爵が、個人ブログを始めるに際し、AWSでもなくAzureでもなくGCP(GAE)を選んだ理由のひとつが、この「Cloud Shell」の便利さであることは間違いありません。百聞は一見にしかず、ぜひとも、自分の手で動かしてみて体感してみてください。

4.GAE(Google App Engine)で出来ること

GAE(Google App Engine)は、ダディ伯爵が個人ブログを始めるに際し、必須要件として挙げた「独自ドメインSSL対応ブログを無料で簡単に」という言葉がピッタリとはまります。「公式サイト」に記載されていない内容ですが、上記の無料枠の範囲を超えない限り、以下のことが無料で利用できます。

  • カスタムドメイン(独自ドメイン)を設定できる
    無料のSSL証明書が自動生成され、自動更新される

  • 静的コンテンツは、完全カスタマイズOK
    →無料ブログサービスのように広告が勝手に表示されることはない →自分のコンテンツを自分好みのレイアウトで公開できる

  • 動的コンテンツ(Python、PHP、Node.js、Go)も利用可能
    →デフォルトのF1スペックは、CPU600MHz、メモリ128MB

  • A/Bテストやロールバックが簡単に実行可能
    →Blue-Greenデプロイメントも可能

  • 負荷に応じたスケーリング性能
    →動的コンテンツへのアクセスがあった際、1インスタンスがカウントされ、さらに負荷が上がると2インスタンスという具合に、アクセス数に応じて自動的にインスタンスが立ち上がるようにすることが可能

  • 静的コンテンツキャッシュ機能
    →有効期限はデフォルト10分だが変更可能

【補足】GAE-Google-App-Engine-は2種類あります

GAE(Google App Engine)には、「スタンダード環境」と「フレキシブル環境」があります。
まず、対応しているランタイム種類に違いがあり、バージョンも微妙に違います。
 →スタンダード環境
Python 2.7、3.7
PHP 5.5、7.2
Node.js 8、10
Go 1.9、1.11、1.12

 →フレキシブル環境
Python 2.7、3.6
Java 8 ★
Node.js
Go 1.9、1.10、1.11
Ruby
PHP 5.6、7.0、7.1、7.2
.NET

なお「スタンダード環境」と「フレキシブル環境」の違いを簡潔にまとめると以下の通り。

★料金面
・スタンダード環境は「インスタンス時間に基づく」料金設定なので、賢く使えば無料で利用可能 ・フレキシブル環境は「vCPU、メモリ、永続ディスクの使用量に基づく(Compute Engine VM インスタンスと同じ)」なので少なからず費用が発生する
★機能面
・「スタンダード環境」、「フレキシブル環境」ともに「オートスケール」は可能 ・Docker環境へSSH接続したい、「Python、PHP、Node.js、Go」以外のランタイムを使いたい等、  Dockerイメージファイルをメンテ、カスタマイズしたい場合や、ルート権限が欲しい場合は  「フレキシブル環境」一択となる
詳細は「Google App Engine のドキュメント」をご確認ください。

上記の通り、GCPの無料枠で出来ることは意外にも多いのですが、日本ではAWS、Azureに続く3番手のポジションであるため、まだまだ認知度が低いのが現状です。その状況に一石を投じるべく、ダディ伯爵は自らの個人ブログをGCP(GAE)の無料枠を使って開設しました。
Google Cloudは2019年5月14日、Google Cloud Platform(GCP)の大阪リージョン(asia-northeast2)を運用開始されていますので今後の躍進に乞うご期待です。

ダディ伯爵は、GCP(GAE)への理解を深めるために、GCP(GAE)無料枠を活用して、本ブログ「https://daddytrevia.com]」を作ってみました。以下の参考記事にまとめていますので試してみたい方はご確認ください。


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